2025年現在、新築マンションの価格は全国的に高止まりを続けており、それに伴って中古マンション価格も上昇しています。「新築は高すぎるから中古で…」と考える方も多いでしょう。しかし、中古マンションには価格だけでは見えないリスクが潜んでいます。
本記事では、2025年時点の住宅市場の最新動向と、中古マンションを検討する際に押さえておきたい注意点を詳しく解説します。
中古マンション価格が上がっている理由とは?
中古マンション価格が上昇している背景には、以下のような要因があります。
新築価格の高騰と需給バランスの変化
新築マンションの平均価格は、2023年〜2025年にかけて東京都心部で8,000万円を超える水準に達することも珍しくなくなりました。首都圏以外でも、物件価格は2010年代と比べて1.5〜1.8倍近くに膨らんでいます。
高すぎる新築を避け、比較的価格が抑えられる中古マンションに目を向ける人が増加。結果として、中古市場でも需要の高まり=価格上昇が起きているのです。
駅近・利便性重視の傾向が加速
近年は再開発や人口減少を見越し、デベロッパーも駅徒歩5分以内など、立地重視の物件に集中しています。そのため、新築だけでなく中古でも「駅近物件」への需要が高く、価格が落ちづらい傾向に。
価格差はまだある。中古の方が“手が届く”現実
とはいえ、やはり中古のほうが価格は安いのが現実です。
2024年の調査では、東京都23区の新築マンション平均価格が約8,000万円、中古マンションは約5,200万円と3,000万円近い差があります(築10〜20年程度、平均専有面積基準)。
もちろん築年数・立地・管理状態によって差は大きいですが、現実的に手の届く価格帯であることから、中古マンションは引き続き有力な選択肢となります。
中古マンションを選ぶときの3つのチェックポイント
価格だけで中古マンションを選んでしまうと、将来的なコストやトラブルに悩まされる可能性があります。購入前には以下の3点を必ず確認しましょう。
① 修繕積立金は十分か?計画の現実性に注目
・積立金が著しく低い=将来の値上げリスク大
・「次回の大規模修繕はいつ?」「費用は足りている?」を確認
「修繕積立金が安いからラッキー」と考えてはいけません。安すぎる積立金は、のちに追加徴収や値上げの要因になります。逆に、適正な額を毎月徴収しているマンションは、将来に向けての管理が堅実だと評価できます。
② 管理組合の運営体制に不安はないか?
・管理組合の体制=マンションの将来そのもの
・議事録や長期修繕計画を「見せてください」と依頼してみよう
購入予定のマンションの管理組合が「運営に自信あり」と思っていれば、議事録や長期修繕計画を見せてくれるケースが多いです。
ただし、開示義務がないので「見せてもらえない=悪い管理」とは限りません。大切なのは、「見せようとする姿勢があるか」「質問への対応が誠実か」です。
③ 滞納や修繕リスクのある設備の有無
・機械式駐車場のあるマンションは修繕コストが高い
・タイル外壁は剥がれ・地震による被害リスクがある
特に注意したいのが、機械式駐車場とタイル貼り外壁です。どちらも維持管理にコストがかかり、長期的には突発的な修繕費用負担が生じるケースがあります。
気になる場合は、次回の修繕内容やコスト見込みを確認し、将来的な出費リスクを把握しておきましょう。
マンションは「建物+管理+人間関係」込みで買うもの
マンション購入=部屋を買うこと、ではありません。
その建物の管理の仕方、住民同士のコミュニケーションのあり方、管理組合の透明性など、ソフト面も含めて選ぶ必要があります。
特に中古マンションでは、過去の管理の蓄積=現在の価値や維持状態に直結しています。
建物自体がきれいでも、組合運営が不透明だったり滞納が多いマンションでは、将来的に問題が噴出するリスクがあるのです。
それでも「今は買うべきか?」の問いへの答え
マンション価格は高止まりを続けています。加えて、住宅ローン金利もジワジワと上昇傾向です。
不動産会社から「金利が低いうちに買った方がいい」と急かされることもありますが、冷静になってください。
→ 答えは「頭金を増やせるなら、焦らなくていい」
いま無理して購入するよりも、数年かけて頭金を増やし、ローンを抑える戦略のほうが安全です。特に50代前後の方なら、退職後の返済シミュレーションも含めて慎重に判断したほうがよいでしょう。
まとめ|中古マンションは“価格だけ”で選ばない
中古マンションは、新築より手の届きやすい選択肢でありながら、慎重なチェックが必要な物件でもあります。
特に以下のような点は必ず確認を。
-
修繕積立金と長期修繕計画の内容
-
管理組合の議事録や運営の透明性
-
機械式駐車場やタイル外壁の修繕負担
-
滞納者の有無・総会出席率など住民意識
そして何より、「いま買うべきか?」の問いにすぐ答えを出さず、価格・金利・ライフプランの3点で冷静に判断する姿勢が大切です。
にほんブログ村に参加してます。クリックして頂くと有り難いです。