忘年会の案内が届く季節になると、周囲からも「今年は来るの?」と声を掛けられます。しかし私は、ここ数年ずっと参加を辞退しています。今年も同じです。
理由は単純で、「今の自分にとって意味が薄い」と感じているからです。
私は50代・役職なしの平社員。子どもは高校生と中学生で、賃貸暮らし。ごく普通の家庭ですが、この立場で働き続けていると、忘年会に対する見え方が若い頃とは大きく変わってきます。
若手の頃は「人間関係づくりの場」だと思って積極的に参加していました。しかし50代になり、自分の立場が定まってくると、忘年会が必ずしもプラスではないと気付くようになりました。この記事では、私が参加しない理由を率直にまとめます。
若手にとって、50代平社員は扱いづらい存在だと自覚している
まず、忘年会の最大の難点は「若手との距離感」です。
若手からすれば、50代という年齢だけ見れば気を遣うべき相手。しかし役職はついていない。つまり、接し方が中途半端になるのです。
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敬語で固くなるのも違う
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タメ口で話すほど近くもない
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アドバイスを求める対象としては弱い
この微妙な距離感は、私自身が若手だった頃を思い返すとよく分かります。結局、人は「結果を出している人」「昇進している人」から話を聞きたいものです。
私はそうではない。
だからこそ、仕事の話を振っても、相手は気を遣うばかりで実りがありません。
それを分かったうえで会話するのは、こちらも疲れます。
忘年会では“どの役割にも収まらない”つらさがある
忘年会では、自然と役割が生まれます。
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若手……盛り上げ役
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中堅……場をつなぐ役
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上司……全体のまとめ役
では、50代・役職なしの平社員はどこに入るのか。
この答えが非常に曖昧です。
本来なら「落ち着いて座っているだけでいい立場」のはずです。しかし実際には、若手ほど気楽でもなく、上司ほど扱われるわけでもない。結果として、私は気を遣って動いてしまいます。
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皿を下げる
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追加注文をする
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周囲に気を配る
50代でこの役回りは、正直つらいものがあります。「動きたいから動く」のではなく、「場の空気的に動かざるを得ない」から動くのです。
この“どこにも属さない感じ”が、忘年会の居心地の悪さを倍増させます。
飲み会に通っても出世しなかった。だから価値を感じなくなった
飲み会は人間関係づくりの場だから大切――。
若い頃の私はそれを信じて、ほぼすべての飲み会に参加していました。
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忘年会
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新年会
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歓送迎会
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部署の飲み会
かなり積極的に顔を出しました。それこそ、終電を逃してタクシーで帰ったことも何度もあります。
しかし現実として、私は50代になっても役職はついていません。
つまり、飲み会への参加そのものは評価や昇進に直結しなかったということです。
もちろん、飲み会が有利に働く人もいると思います。
でも、少なくとも私はそのタイプではなかった。
その現実がある以上、今は「時間とお金を使う価値はない」と判断しています。
家族との時間のほうが圧倒的に価値がある
私には専業主婦の妻と高校生・中学生の子どもがいます。
教育費はピークに向かい、老後資金も同時に考えなければいけない、まさに支出が重なる年代です。
会費5,000円の忘年会でも、年に何度か続けばそれなりの負担です。
そのお金を、
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子どもの学費
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家族との外食
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将来の資産形成(新NISAなど)
に回したほうが、私にとっては明らかに価値があります。
そして何より、50代になって家族で食卓を囲める時間は本当に貴重です。
ただの他愛もない会話であっても、忘年会で過ごす数時間よりもよほど満たされます。
「協調性がない」という声を気にしなくなった理由
飲み会を断ると、ときどき批判的な声が聞こえてきます。
「付き合いが悪い」
「空気を読んでない」
「みんなと関係を深める気がない」
しかし私は、それを気にしなくなりました。
なぜなら――私は平社員だからです。
会社が私に求めているのは、
「与えられた仕事を丁寧にこなし、期限を守ること」。
飲み会で盛り上げることでも、上司と距離を縮めることでもありません。
それに、50代になると体力の回復も遅いです。
睡眠時間が短くなるだけで翌日のパフォーマンスが大きく落ちます。
無理をして飲み会に出るメリットより、翌日のデメリットのほうが大きいのです。
飲み会を否定しているわけではない。ただ、私は優先順位が変わった
誤解してほしくないのは、
「飲み会そのものを否定しているわけではない」ということです。
実際、若い頃は飲み会で学んだこともたくさんあります。
普段は接点がない人の考えを聞けたり、仕事の裏話を教えてもらえたり。
あの経験があったからこそ、今の私の価値観があるとも感じています。
ただ、50代・役職なしの平社員になった今は、
「飲み会より優先すべきものがある」というだけです。
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家族
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健康
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本業の質
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将来の安心
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心の余裕
これらを削ってまで参加する必要はないと思うようになりました。
まとめ:忘年会に行かないのは“逃げ”ではなく、合理的な取捨選択
忘年会に参加しないと、「逃げている」と見られることがあります。
しかし私にとっては、逃げではなく“取捨選択”です。
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若手にとって扱いづらい立場
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忘年会での役割が曖昧
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参加しても出世につながらなかった
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家族との時間のほうが価値が高い
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平社員にとって、飲み会は必須ではない
こうした理由から、私は参加しません。
年齢を重ねてようやく、
「自分の時間をどう使うか」を冷静に考えられるようになりました。
これからも、忘年会は“行かない選択”を続けていこうと思います。
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