私の資産に占める現金比率は、現在およそ3%ほどです。
数字で言えば、現金は約260万円。総資産7,800万円の中ではごく一部にすぎません。
世の中の一般的な「リスク管理」の考え方からすると、かなり低い水準だと思います。
ファイナンシャルプランナーの中には「生活費の2年分を現金で持つべき」と言う人もいますし、書籍では「資産の30%は現金」と紹介されていることもあります。
それでも私は、この現金比率で十分だと考えています。その理由は、分散投資でリスクを抑えているからです。
現金が少なくても安心できる理由
私の資産の大部分は株式や投資信託などの金融資産です。ただし、個別株のような値動きの激しい銘柄に集中しているわけではなく、
S&P500やオルカンといったインデックスファンドに分散して投資しています。
例えば個別株の場合、企業の業績次第では株価が半分以下になることもあります。そうした資産構成だと、現金を多めに持っておかないと生活に支障が出るリスクが高い。
しかしインデックス中心なら、世界全体に分散されており、一社の倒産で資産が激減することはありません。だからこそ、現金比率が3%程度でも、精神的には落ち着いていられるのです。
生活防衛資金の基準は「半年分+α」
私は、現金について「3か月分の生活費」を目安にしています。
私の生活費は月40万円ほどなので、40万円×3か月=120万円。
これが生活防衛資金として最低限必要な額だと考えています。
※親の介護費用と子供の教育費があるので、直近は生活費が多くなっています。
現在の現金260万円は、生活費の約半年分に相当します。
つまり、突発的な出費があっても十分に対応できる水準です。
ただし、現金を増やしすぎるとインフレによる実質的な資産目減りが起こります。
2025年の日本の物価上昇率は依然として2%前後。
普通預金の金利は上がったといっても年0.25%程度(例:イオン銀行)で、インフレ率にまったく追いつきません。
つまり、現金を寝かせすぎることもリスクなのです。
現金以外でも「流動性」を確保する
手元資金を少なくしているからこそ、流動性の高い投資商品を意識しています。
株式や投資信託は、取引時間中ならすぐに売却して現金化できます。
一方、不動産投資などは売却まで時間がかかり、急な資金需要には向きません。
私は賃貸暮らしなので不動産は保有していませんが、
仮に持っていたとしても、手元現金をもっと多くしていたと思います。
なぜなら、不動産は「売りたいときに売れない」典型的な資産だからです。
流動性を軽視すると、いざというときに不利な価格で手放すリスクが高まります。
リスク許容度は「人それぞれ」で良い
投資における大原則は、長期・分散・低コストです。
これは年齢や職業に関係なく、最も再現性の高い方法です。
ただし、リスクの取り方は人によって異なります。
独身か、子どもがいるか、定職があるか、副収入があるか。
生活環境によって、同じ3%でも「安心」と感じる人もいれば、「不安」と思う人もいます。
重要なのは、誰かの基準に合わせることではなく、自分の生活に合ったリスクの取り方を見つけることです。
債券や短期資産も“現金の代替”になる
高齢になるにつれ、株式比率を下げて債券や短期金融商品を増やす人も多いと思います。
実際、債券やMMF(マネー・マネジメント・ファンド)は、リスクを抑えながら一定の利回りを得られる手段です。
特に2025年のように金利がやや上向きの環境では、こうした低リスク資産を“現金の延長”として持つことも有効です。
ただ、私は今のところ、株式中心で構成しています。
長期目線で市場の成長を取り込みたいからです。
リスク資産を多く持つ代わりに、3か月分の現金を確実に確保しておく。
それが私にとっての“安心できるバランス”です。
節約は最高のリスク管理
現金比率の話をすると、「もっと貯めた方がいい」と言われがちですが、
根本的なリスク管理は支出を抑える力にあります。
月20万円で生活できる家計なら、同じ260万円でも「1年分の防衛資金」になりますが、
月40万円かかる家庭なら、わずか半年分しか持たない計算になります。
つまり、「生活コストを下げる=リスク耐性を高める」ことなのです。
節約は投資の一部であり、最も確実なリターンだと思います。
現金比率に“正解”はない
最終的に、現金比率に絶対的な正解はありません。
年齢・収入・家族構成・職業などによって、最適解は変わります。
重要なのは、暴落や急な出費があっても生活が維持できるラインを知ることです。
私の場合、その答えが「現金比率3%」でした。
人によっては10%、あるいは30%かもしれません。
大切なのは、自分で根拠を持って決めること。
それこそが、最も実践的なリスク管理だと感じています。
まとめ
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現金比率の目安は「半年〜1年分の生活費」
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インフレ下では現金を増やしすぎてもリスク
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流動性の高い資産構成で“使えるお金”を確保
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節約もリスク管理の一部
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正解はなく、自分の生活に合った比率を見つけることが大切
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