米国株投資が個人にも当たり前になった時代
2025年現在、個人投資家が米国株に投資するのは、もはや当たり前の時代になりました。
数年前と比べて、SBI証券や楽天証券などのネット証券を通じて、米国株が簡単に買えるようになり、為替手数料や売買手数料も大きく改善。スマホひとつで、AppleやAmazonなどの米国企業に気軽に投資できる環境が整いました。
実際に、私の周囲でも、国内株中心だった人たちが「米国株デビュー」を果たしており、投資対象がグローバルに広がっているのを感じます。これは分散投資の観点からも、非常に良い傾向だといえるでしょう。
馴染みのある企業に投資できる魅力
米国企業の多くはグローバル展開しているため、日本に住んでいても馴染みのある企業が多いのが特徴です。
たとえば、Apple、Amazon、ウォルト・ディズニー、マクドナルドなど、日本でも商品やサービスに日常的に触れる機会が多い企業ばかり。以前は「マクドナルド株=日本マクドナルド(JASDAQ上場)」というイメージでしたが、今では本社である米国マクドナルド(MCD)に投資する人も増えています。
このように、「よく知っている企業」に投資できるのは、心理的にも安心感があります。
米国インデックスファンドの人気は継続中
個別株だけでなく、米国株式に連動するインデックスファンドの人気も高まっています。
中でも、「eMAXIS Slim 米国株式(S&P500)」は、日本国内の積立設定件数ランキングで常に上位にランクイン。信託報酬が安く、手軽に米国市場全体へ投資できることから、長期投資家にとって定番の選択肢となっています。
つみたてNISAや新NISAでも、このファンドを積立設定している方が非常に多く、2025年現在もその人気は衰える気配がありません。
米国株投資には為替リスクがある
米国株の魅力は十分理解した上で、気をつけたいのが「為替リスク」です。
米国株はドル建て資産のため、円高になると円ベースでの資産価値が目減りする可能性があります。たとえ株価が上昇していても、為替の変動で損失になるケースがあるのです。
たとえば、1ドル=150円の時に買った株が、1ドル=120円になった場合、株価が同じでも円換算では20%損をすることになります。これは決して無視できるリスクではありません。
為替リスクを避けたい場合は、「為替ヘッジあり」の投資信託を選ぶ手もありますが、ヘッジコストやファンドの特性をよく理解する必要があります。
米国株信奉の“極端な意見”には要注意
ここ数年、米国株投資がうまくいったことで、米国株を“信仰”のように語る人も増えてきました。
SNSやブログでは「米国株を買わない人は情弱」「日本株なんて買う意味がない」といった極端な意見も目立ちます。中には“日本株=負け組”と決めつけるような発言も見かけます。
確かに、リーマンショック以降のアメリカ市場は好調で、コロナショック後の回復も見事でした。ナスダックやS&P500は右肩上がりで成長を続け、結果的に米国株への投資が正解だったと感じた方も多いでしょう。
しかし、だからといって“米国株一択”で良いのでしょうか?
米国株だけに集中投資するリスク
私は、たとえアメリカ経済が今後も成長を続けるとしても、「米国株だけに集中投資するのは危険」だと考えています。
現に、過去にはITバブル崩壊(2000年)やリーマンショック(2008年)で米国株が大きく暴落した歴史があります。S&P500でさえ、10年近く停滞していた時期も存在します。
「ダウ平均は長期で見れば常に右肩上がり」とよく言われますが、それは“長期で見た場合”の話であって、10年単位で低迷することは十分にあり得るのです。
むしろ「今がバブルだった」と後から振り返られる未来も想定しておくべきです。
日本株にも投資する価値はある
米国株信奉者の多くは「日本は高齢化と人口減少で衰退する」「日本株に将来性はない」と主張します。しかし、本当にそうでしょうか?
そもそも株式投資というのは、企業の“将来のキャッシュフロー”に投資するものであり、「成長性=株価上昇」ではありません。企業の利益は、割引現在価値(DCF)によって現在の株価に織り込まれているのです。
つまり、「日本株に将来性がない」と市場全体が判断していれば、それはすでに株価に反映されています。逆に、ネガティブな予想に反して良い決算や新技術が発表されれば、日本株は大きく上昇する可能性もあります。
過去に割安に放置されていた企業が、ある日突然注目されて株価が急騰するケースも少なくありません。
【まとめ】米国株は魅力的。でも偏りすぎない投資を
米国株がこれまで好成績を上げてきたのは事実です。私自身もS&P500連動型のインデックスファンドを保有していますし、アメリカの経済が今後も成長していく可能性は高いと考えています。
しかし、それが「米国株にだけ投資すれば絶対に儲かる」という話ではありません。
今の好調が将来も続くとは限らず、むしろ「今がピーク」だったと振り返る日が来るかもしれません。そんなときに備えて、資産を分散しておくことは非常に重要です。
偏った投資判断ではなく、リスクを理解しながら、冷静に資産形成を進めていくことが長期的に見て賢明な選択だと私は思っています。
にほんブログ村に参加してます。クリックして頂くと有り難いです。