50代からの新NISA活用、積立を減らした私の現実
新NISAが始まってから、多くの人が「できるだけ満額で積み立てたい」と考えていると思います。実際、私も制度開始当初は満額に近い金額を積み立てていました。しかし2024年からは、毎月の積立額を33,333円から13,000円へと減額しました。
具体的には、オルカン(全世界株式)に1万円、S&P500に3,000円ずつの積立です。
「なぜ減らしたのか?」「不安はなかったのか?」──今回は、そのリアルな経緯と今後のスタンスについて正直に書いてみたいと思います。
なぜ積立額を減らしたのか
理由はシンプルで、家計支出が増えたからです。50代になると、教育費がピークを迎えます。私の場合、高校3年生と中学2年生の子どもがおり、学費や塾代だけで家計は大きく圧迫されます。
賃貸暮らしなので住宅ローンはありませんが、毎月の家賃や光熱費も上昇傾向にあります。食費もインフレの影響でじわじわ上がり、さらに老後の備えも意識しなければならない。こうした状況を考えると、以前のように満額積み立てるのは現実的ではありませんでした。
「積立額を減らす=投資を諦める」ではなく、むしろ「生活を守りながら投資を続ける」ための選択だったのです。
減額して感じた心理的な変化
正直に言えば、積立額を減らすことには少し後ろめたさがありました。SNSなどを見れば「新NISAは満額投資が基本」という声が多く、自分だけが遅れているような気持ちになることもあります。
しかし、減額後に気づいたのは「少額でも続けられる安心感の方が大事」ということです。
毎月33,333円を投資していた頃は、家計に余裕がなくなった月に「積立をやめようか」という迷いが出ました。でも13,000円なら、生活を圧迫することはほとんどありません。結果的に「無理なく続けられる仕組み」を作れたのです。
新NISAをどう位置づけるか
新NISAは「非課税枠を使い切らなければ損」と考えがちですが、私は今のところ「使える範囲で活用すれば十分」というスタンスに変わりました。
資産形成はマラソンのようなもの。途中で息切れしてやめてしまったら元も子もありません。むしろ「長く続けられるリズム」を作ることが、結果として老後の安心につながります。
例えば、毎月13,000円でも年156,000円。20年積み立てれば3,120,000円。これを年利5%で運用できたとすると、約5,200,000円になります。決して大金ではありませんが、「ゼロより圧倒的に良い数字」です。
私の資産全体とのバランス
総資産は7,000万円台。準富裕層と呼ばれる水準にはありますが、だからといって投資を無理に増やす必要はありません。むしろ私にとって大事なのは「逃げ切り戦略」──つまり、老後破綻しないこと。
現金比率は4%程度と低めですが、教育費・生活費の流動性を優先してキャッシュを厚めに持つ時期も必要だと思っています。新NISAの枠を追いかけすぎず、「現金・投資・支出」のバランスを意識するようになりました。
減額をポジティブにとらえる
投資をしていると、どうしても「もっと増やしたい」「満額積み立てたい」という気持ちが出てきます。ですが、50代で教育費や生活費がかさむ中、投資額を減らす決断も立派な戦略だと今は思っています。
少額でも投資をやめずに続けている自分を評価し、「無理をせず長く走り続ける」ことに価値を置く。これは、若い頃にはなかった感覚です。
減額しても意味はあるのか?
「そんな少額では意味がないのでは?」と感じる方もいるかもしれません。ですが、投資の効果は金額だけでなく時間にも支えられます。
月1万円でも20年で200万円以上投資できますし、複利で膨らめば老後資金の一部を確実に支えてくれる。さらに、毎月少額を投資することで「市場から退場しない習慣」を持ち続けられるのも大きなメリットです。
私自身、リーマンショックやコロナショックといった下落相場を経験しましたが、少額でも投資を続けていたおかげで「相場に居続ける」ことができました。減額しても投資を継続する姿勢こそが、将来のリターンを生む土台になると感じています。
家計と投資の“両立”こそが鍵
結局のところ、投資は家計と切り離せません。老後の安心を得るために投資しているのに、現役世代で生活が苦しくなったら本末転倒です。
50代は教育費や親の介護費など、多方面でお金がかかる時期です。だからこそ「投資もする、でも生活を守る」という柔軟さが重要になります。
新NISAの制度はありがたいですが、それをフル活用することだけが正解ではありません。自分の家計に合わせて調整しながら続ける──これが現実的な戦略だと思います。
まとめ
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2024年から新NISAの積立額を 33,333円 → 13,000円 に減額
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理由は教育費・生活費の増加
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少額でも続けることで「安心して継続」できる効果を実感
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満額にこだわらず、資産全体とのバランスを優先
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減額しても複利効果は生きる
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「減額=失敗」ではなく「戦略的選択」ととらえる
50代での資産形成は「無理をしないこと」が最も大切です。新NISAも、ライフステージに合わせて柔軟に取り組むことで、老後に向けて安心感を積み上げられるのではないでしょうか。
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