1|2025年の今、再び問われる「耐える力」
米国の利下げ観測、インフレの再燃懸念、中国不動産不況、AIバブルの過熱と調整…。2025年の株式市場は再びボラティリティ(変動性)の高い相場に突入しています。
投資歴の長い方にとっては見慣れた風景かもしれませんが、2024年から投資を始めたばかりの人にとっては「試練の相場」です。
そんな時こそ思い出してほしいのが、「耐える力」の重要性です。
2|狼狽売りは未来のリターンを失う
株価が急落すると、多くの人が「今売っておこう」「あとで安くなったら買い直そう」と考えます。
しかし、これは投資で失敗する典型的なパターンです。
タイミング投資はプロでも難しい
市場はニュースやセンチメントで短期的に上下します。これを完璧に読める人はいません。
実際、ウォーレン・バフェット氏ですら「市場タイミングは読めない」と断言しています。
3|「売ったら上がる、買ったら下がる」はあるある
実際の投資家あるあるですが、
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株価が下がって怖くなり売却
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その後反発して上昇
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あわてて買い戻したら、また下がる…
というパターンに陥る人が非常に多いです。
このように、感情的な売買はリターンを下げる最大の原因になります。
4|長期投資の成否は「耐えた回数」で決まる
投資の世界には、次のような歴史的な下落があります。
年度 | 出来事 | 下落率(S&P500) |
---|---|---|
2008年 | リーマンショック | -56% |
2020年 | コロナショック | -33% |
2022〜2023年 | インフレ・利上げ局面 | 約-25% |
2025年 | AIバブル調整(仮) | 一時的に-15%超 |
こうした局面で「何もせずにホールド」した投資家だけが、その後の回復と成長相場で利益を得られました。
5|投資は「楽して儲ける」手段ではない
一部SNSなどでは「投資は簡単」「放っておくだけで儲かる」といった過剰な表現が見られます。
しかし、現実の投資は心理的ストレスとの戦いです。
投資家が直面する不安
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含み損で口座残高が減る
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日々のニュースで煽られる
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他人と比較して焦る
これらを乗り越えられるメンタルとルールを持てるかどうかが、成功と失敗を分けるのです。
6|リスクはコントロールできる
下落相場に耐えるために重要なのが、事前の「リスク管理」です。
投資金額を抑える
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現金比率を高めておくことで、心の余裕が生まれます。
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目安:3〜6か月分の生活費を現金で確保
分散投資を徹底する
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インデックスファンドを活用して世界中に投資
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株式・債券・リートなど異なる資産を保有
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円建て・ドル建てなど通貨分散も有効
詳しくはこちらの記事も参考にしてください:
👉 米国株だけに投資して大丈夫?2025年の今こそ分散投資を見直すべき理由
7|リスク許容度を把握しよう
リスク許容度とは、「どのくらいの下落に耐えられるか」を示す指標です。
たとえば…
タイプ | リスク許容度 | 運用戦略 |
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攻め型 | 含み損20〜30%に耐えられる | 株式中心 |
標準型 | 含み損10〜20%でやや不安 | 株式+債券 |
守り型 | 含み損5%でも不安になる | 債券中心、現金多め |
私は「標準型」に近く、生活防衛資金を半年分確保したうえで、インデックスファンドに90%程度を投資しています。
あなた自身の性格や状況に合わせて、無理のない投資配分を組みましょう。
8|元本割れが絶対に嫌な人は株式投資に向いていない
少しの損失でも精神的に苦しくなるという人は、無理にリスク資産に投資すべきではありません。
安全性を重視する選択肢
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個人向け国債(変動10年)
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預貯金+定期預金
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iDeCoの元本確保型商品
9|狼狽売りは最大の敵。やってはいけない理由
下落局面では、売ることが正解に思える瞬間が何度も訪れます。
ですが、それが「投資からの撤退」につながり、長期的には大きな損失をもたらします。
売ってしまうと…
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株価が回復しても乗れない
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買い戻す勇気が持てない
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結果的に「高値掴み・安値売り」の繰り返し
投資とは、耐える人にだけ報酬を与えるゲームだと、心に刻みましょう。
10|まとめ:耐える力が未来の資産をつくる
この記事のまとめです。
ポイント | 解説 |
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株価下落は定期的に起こる | 想定しておくべき |
感情的な売買はNG | タイミングは読めない |
耐えることがリターンを生む | 売らないことが最大の戦略 |
リスクは管理できる | 投資額と分散で調整可能 |
自分に合った投資スタイルを | 無理しないことが継続のコツ |
👉 個人にとっての債権投資と債権価格の計算の仕方。個人投資家にとって債権投資は不要と考える。