はじめに|なぜ貯金は必要なのか?
「お金は使わないと意味がない」「死んだら使えないのだから今を楽しむべき」
こうした価値観をSNSなどでよく見かけます。確かに、預金通帳の数字そのものに価値があるわけではありません。使ってこそ、お金は人生を豊かにする力を発揮します。
とはいえ、まったくお金を貯めず、修行僧のようにひたすら我慢し続けるのも違う。
本記事では、「貯金がなぜ必要なのか?」というテーマについて、私自身の経験を交えながら、現実的かつ具体的に掘り下げてみたいと思います。
「貯金なんて必要ない」という意見の背景
「貯金をしても意味がない」という意見には、以下のような背景があります。
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節約ばかりで人生が楽しくない
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お金は使ってこそ価値がある
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どうせ老後まで生きていないかもしれない
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物価上昇やインフレでお金の価値が減るなら使った方が良い
確かに一理あります。
たとえば、過剰な節約で毎日カップ麺生活、交際費ゼロ、趣味も持たず、ただ預金残高を眺めるだけの生活…。これは心が貧しくなります。
だからこそ大切なのは、「貯めること」と「使うこと」のバランスなのです。
貯金の3大目的|「備え」「教育」「老後」
それでも私が「貯金は絶対に必要」と考えるのは、以下の3つの理由からです。
① 非常時の備え
病気・ケガ・事故・失業…。
どれも、いつ起こるか分かりません。実際、私自身も以前ケガで1ヶ月ほど働けなくなった経験がありました。その時、生活を支えたのはわずかながらの貯金でした。
とくに会社員であっても、リストラや倒産のリスクはゼロではありません。次の職が見つかるまでの「生活防衛資金」として、少なくとも生活費の3〜6ヶ月分は用意しておくのが理想です。
② 教育資金の確保
子どもがいるご家庭なら、「教育資金」は避けて通れません。
進学のタイミングで数十万円〜数百万円単位のお金が必要になります。奨学金もありますが、できれば子どもに負担をかけずに送り出したいと思うのが親心。
特に大学進学では、入学金・授業料・一人暮らしの費用など、まとまった出費が集中する時期です。教育ローンに頼らずに済ませるには、地道な貯金が不可欠です。
③ 老後の資金確保
一番深刻なのが「老後」です。
多くの人が60歳で定年を迎え、再雇用などを経て65歳以降は収入が大きく減ります。年金だけでは生活が足りず、「老後2000万円問題」という言葉も生まれました。
実際、私の周囲でも、60代以降に「働きたくても仕事が見つからない」「体力的に厳しい」という声をよく聞きます。「老後もずっと働けばいい」は幻想です。
だからこそ、働けるうちに貯めておく必要があるのです。
「死んだら意味がない」の落とし穴
「将来のために貯金しても、死んだら意味がない」という声もあります。
私も若い頃はそう思っていました。しかし、年齢を重ねて思うのは、「人間はそう簡単には死ねない」ということです。
長生きは避けられません。
自分が思うよりもはるかに長く生きる可能性があり、しかも介護や医療費など、高齢期にはお金がかかるのです。
また、年を取ると「自分のため」だけではなく、家族や配偶者のために生きる責任も感じるようになります。だからこそ、「老後は何とかなる」ではなく、「老後の準備をしないと迷惑をかける」という意識が大切です。
【補足】貯金と預金の違い
ここで少し言葉の確認を。
厳密には、
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貯金:郵便局に預けるお金
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預金:銀行に預けるお金
とされています。ですが、日常会話ではほとんどの人が「お金を貯めること」をひとまとめに「貯金」と呼んでいます。この記事でも、その意味で「貯金」という言葉を使っています。
貯金がもたらす「精神的な余裕」
意外と見落とされがちですが、貯金には「心の安定」という副産物があります。
お金に余裕があると、人間関係や日常のストレスにも余裕が出ます。
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急な出費に動じない
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仕事が不安でも焦らず判断できる
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家庭内のギスギスが減る
これは私自身も実感していることで、「貯金=精神安定剤」というのはあながち間違いではありません。
最後に|「貯金ゼロ」からでも間に合う
ここまで読んで「もう遅いかも…」と思った方もいるかもしれません。
でも大丈夫です。私も、かつては貯金ゼロの状態からスタートしました。
重要なのは、今からでも 「月1万円でも貯める」 という行動を始めることです。
そして、必要に応じて少しずつ金額を増やし、目的別に貯金を分ける(生活防衛用、教育資金、老後資金など)こともおすすめです。
お金は、使ってこそ価値があります。
でも、貯めておくことで、より自由に、より安心して使えるようになるのです。
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