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50代から考える現実的な早期リタイア戦略|年金・支出・必要資金を具体的に試算

50代になると見えてくる「現実的な将来像」

若いころは「出世して成功したい」「将来は社長に」と夢を描き、社会に飛び出していきます。しかし、現実に社会に出て働き始めると、自分よりも遥かに優秀な人に出会い、自分の実力を思い知らされる場面が何度も訪れます。

若いうちは先輩や上司をロールモデルにできますが、年齢を重ねると、今度は自分より年下の後輩がどんどん優秀になってくるものです。

そして50代にもなれば、自分のキャリアの限界や、定年までに到達するであろう地位や収入が見えてきます。社長や役員といったポジションを本気で目指せるのは、ほんの一握りのエリートサラリーマンだけ。大半の中年サラリーマンにとっては、それが現実です。

とはいえ、これは人生を悲観しているわけではありません。努力をやめるという話でもなく、むしろこれまでの経験を踏まえ、自分の身の丈に合った将来設計を描く時期に来ているのだと思います。

将来設計が見えるからこそ考える「生活費の最適化」

50代になると、これからの概算収入もある程度見えてきます。会社員を定年まで続けるつもりであれば、収入の上限・下限も想定しやすい。そうなれば、将来の支出設計を今から始めることが非常に大切です。

人の欲には限りがありません。収入が増えても、それに比例して生活水準を上げてしまえば、結局は満足できないのです。

重要なのは、少ない支出でも満足して暮らせる自分をつくること。例えば、年間200万円で十分に楽しく暮らせる人もいれば、年に1,000万円ないと不安だという人もいます。

「豊かさ」とは、金額の多寡ではなく、「満足度」の問題です。

もし、年間200万円以下で暮らせる生活スタイルが構築できれば、早期リタイアの選択肢も現実味を帯びてきます。支出が少なければ、必要な資産も少なくて済み、経済的自由に近づくことができるのです。

早期リタイアを目指すなら、50歳からの生活設計を明確に

2025年現在、私は50代の平社員として働いています。現役としては終盤に差し掛かり、定年後の生活についても意識せざるを得ません。ここでは、仮に50歳で早期リタイアをした場合に必要となる金額を、具体的に試算してみます。

50歳から65歳まで(年金受給前)の生活資金

年金は65歳から支給開始と想定します(繰り上げも可能ですが、今回は繰り上げなしで計算)。
仮に年間200万円で生活するとすれば、15年間で3,000万円の資金が必要です。

65歳から90歳までの生活費と年金の組み合わせ

65歳以降は年金が支給されます。ただし、50歳で退職しているため、満額受給は難しく、ここでは月額10万円(年間100万円)と仮定します。

年間200万円の生活費が必要なら、残りの100万円は自己資金で補う必要があります
25年間で必要な自己資金は 2,500万円 です。

早期リタイアに必要な総資金

これらを合計すると、以下のようになります:

50歳で早期リタイアするための資金試算(2025年時点)

  • 50歳~65歳の15年間:3,000万円

  • 65歳~90歳の25年間:2,500万円

  • 合計:5,500万円

この金額が、「年金支給までの生活費」と「老後資金」の最低ラインです。実際には健康リスクやインフレなども考慮すべきですので、運用益や副収入などがあればより安心です。

まとめ|早期リタイアの鍵は「支出を抑えた幸福な暮らし」

人生は意外と短いものです。50代から見れば、残された時間は多くて数十年。その時間をどう過ごすかは、今の選択次第です。

ポイントは以下の通りです:

  • 50代になると自分のキャリアの限界が見えてくる

  • 生活費を抑え、少ない支出で満足できる力を養うことが、早期リタイアの近道

  • 50歳で早期退職を考えるなら、5,500万円程度の資産が目安

  • 65歳以降は年金で生活を補えるが、50歳で退職すると年金額は少なめ

  • 退職後も資産運用は継続する前提で考えると、実際の必要資金は若干少なくても対応可能

一番大切なのは、少ないお金でも「楽しく暮らせるスキル」を身につけることです。

2025年現在、人生の折り返し地点を過ぎた今こそ、自分の将来を現実的に見つめ直し、豊かさとは何かを再定義する時期なのかもしれません。

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