はじめに
「楽天ポイントで投資信託を買える」——これは現金化に近い価値があり、2021年当時は多くの楽天経済圏ユーザーが利用していました。私もその一人で、毎月500ポイントをeMAXIS Slim 米国株式(S&P500)の購入に充て、SPU(スーパーポイントアッププログラム)倍率を上げる戦略を取っていました。
当時は、楽天市場での買い物ポイント還元を最大化するために、楽天証券でのポイント投資は「必須条件」と言えるほど価値があったのです。
しかし、2021年から2025年までの間に、楽天証券や楽天市場の制度は何度も改定されました。
SPU倍率アップ条件の廃止や還元率の引き下げにより、当時のような「お得感」は薄れています。
それでも、楽天ポイント投資は「現金を使わず資産形成できる」という強みを持ち続けています。本記事では、2021年と2025年の制度比較、最新の活用法、他社ポイント投資との比較を詳しく見ていきます。
楽天ポイント投資の仕組み(2025年版)
楽天ポイント投資とは、楽天グループの共通ポイントである通常ポイントを使って楽天証券で投資信託や国内株式を購入できるサービスです。
-
対象ポイント:通常ポイントのみ(期間限定ポイントは不可)
-
対象商品:投資信託、国内株式(2023年追加)
-
最低購入額:1ポイント〜
-
購入手数料:ノーロード投資信託推奨(少額購入で手数料が高いと逆効果)
-
つみたてNISAでも利用可能(楽天カード決済と併用可)
2023年からは国内株式にもポイントを充当できるようになったため、投資信託だけでなく個別株を買う目的でも使えるようになりました。
2021年→2025年の制度比較
項目 | 2021年当時 | 2025年現在 |
---|---|---|
SPU倍率アップ条件 | 毎月500ポイント以上投資信託購入で+1倍 | 廃止(2023年終了) |
投資対象 | 投資信託のみ | 投資信託+国内株式 |
ポイント種別 | 通常ポイントのみ利用可 | 同左 |
期間限定ポイント | 利用不可 | 同左 |
楽天カード決済上限 | 月5万円(1%還元) | 同左 |
つみたてNISA利用 | 可 | 可 |
還元率の実質価値 | 高(SPU効果あり) | 中(SPUなし、純粋なポイント消化手段に) |
大きな違いはSPU倍率アップ条件がなくなったことです。
これにより「楽天市場の買い物ポイント増加目的」で利用する意味はほぼなくなりました。現在は、純粋にポイントを現金同等として資産形成に回す手段になっています。
現在のメリット
1. 現金同様に使える
楽天ポイント投資は、通常ポイントを投資信託や株式に充てられるため、現金を使わずに資産を増やせます。ポイント消化としての効率は非常に高く、使い道に困ることもありません。
2. 少額から始められる
最低1ポイントから投資できるため、投資初心者や「まずは試してみたい」という人にも向いています。ポイントを使った投資は心理的ハードルが低く、投資の習慣化にも役立ちます。
3. 投資対象が広がった
2023年以降は国内株式にも使えるため、例えば日本株の単元未満株をポイントで買うといった運用も可能になりました。
注意点とデメリット
-
SPU倍率アップが廃止
以前は「毎月500ポイント投資信託購入」で楽天市場のポイント倍率が+1倍されましたが、この制度は2023年に終了。SPU目的の魅力はゼロに。 -
期間限定ポイントは使えない
キャンペーンや買い回りで得られる期間限定ポイントは投資に使えません。これらは楽天市場やコンビニなどで使い切る必要があります。 -
他社ポイント投資の方が還元率が高い場合も
PayPay資産運用やdポイント投資はキャンペーン時に高還元を実現でき、投資額の伸びも期待できます。
他社ポイント投資との比較(2025年版)
サービス | 投資対象 | 最低額 | 還元率の魅力 | 特徴 |
---|---|---|---|---|
楽天ポイント投資 | 投資信託・国内株式 | 1P〜 | 現金同等の価値、SPU効果は廃止 | 投資対象が広く、楽天カード決済と相性良し |
PayPay資産運用 | 投資信託型運用コース | 1円〜 | キャンペーン時は最大5% | PayPay支払いと一体化 |
dポイント投資 | 投資信託型ポイント運用 | 100P〜 | 株価連動型で値動きを体験 | ドコモ経済圏で有効 |
Pontaポイント運用 | 投資信託型ポイント運用 | 100P〜 | ローソン利用で貯まりやすい | 手軽に始められる |
50代投資家の活用例(私の場合)
私は2021年から毎月500ポイントをeMAXIS Slim 米国株式(S&P500)購入に回してきました。
当初はSPU倍率アップのために500ポイントを固定していましたが、制度廃止後は「貯まった通常ポイントをそのまま投資に回す」方法に変更しました。
例えば、楽天カード決済で毎月5万円分の投資信託を購入すると1%の500ポイントが付与されます。
この500ポイントを翌月再投資することで、実質的に1%の利回り上乗せをしているような効果になります。
楽天カード決済との組み合わせ戦略
-
毎月の上限:50,000円(1%還元=500ポイント)
-
つみたてNISAと併用可
例)つみたてNISA 33,333円+一般積立 16,667円 → 合計5万円で上限達成 -
得られた500ポイントを翌月再投資
これにより、現金投資+ポイント再投資の複利効果が得られます。
こんな人におすすめ
-
楽天カードや楽天市場を日常的に利用している人
-
少額から投資習慣をつけたい初心者
-
ポイント失効を避けながら資産形成を続けたい人
-
投資信託の買い増しを現金負担ゼロで行いたい人
まとめ
楽天ポイント投資は、2021年当時と比べると「SPU倍率アップ」という大きな特典を失いました。
しかし、通常ポイントを現金と同等に資産形成へ回せる点は今も変わらぬ強みです。
2025年の使い方は、SPU目的ではなくポイント消化+再投資による資産増が中心です。
楽天カード決済で得たポイントを翌月投資に回す「ポイントの複利運用」は、長期的に見ると着実な効果があります。
他社ポイント投資も選択肢に入れ、自分の生活圏に合ったポイント運用を組み合わせるのが、これからの賢い戦略です。

にほんブログ村に参加してます。クリックして頂くと有り難いです。