はじめに
私は50代で、役職も肩書きもない、いわゆる「平社員」です。
順調にいけば定年まであと10年を切りましたが、現実はそんなに甘くありません。企業で長く働いていると、どうしても避けて通れない言葉があります——それが「リストラ」です。
「自分はまだ大丈夫」「仕事ができるから問題ない」と思っている人もいるかもしれません。
しかし、50代という年齢になれば、これは決して他人事ではありません。
50代サラリーマンとリストラの現実
企業は数値で人員整理を決める
リストラは、特定の人をピンポイントで選ぶよりも、まず「何人減らすか」という数値目標から始まります。
経営陣は業績悪化や事業再編に伴い、希望退職を募り、それでも人数が足りなければ退職勧告を行います。
このとき、「特別なスキルがある」、「会社にとって欠かせない人材」でない限り、対象から外れる保証はありません。むしろ、役職もなく、代わりが利くポジションにいる人ほど、リストラ候補に名前が挙がりやすいのです。
実際、2024年には大手電機メーカーA社が50代以上を対象に1,000人規模の早期退職を実施しました。金融業界でもB銀行が支店統廃合に伴い管理職・一般職を問わず削減。こうしたニュースを見るたびに、「明日は我が身」と感じます。
私は典型的なリストラ対象
正直に言えば、私のような役職なし・特別な資格なしの50代は、典型的なリストラ対象でしょう。
若い頃はそんなことを意識しませんでしたが、今は「明日突然リストラされたら…」と考えることがよくあります。
これは悲観ではなくリスク管理です。
50代になれば、健康リスクや家族の介護、子どもの学費など、ライフイベントが重なります。そんな時期に職を失えば、精神的な打撃も大きいのです。だからこそ、事前に備えておくことが生き残る条件だと思っています。
50代からのリストラ対策は「資産形成」と「出口戦略」
資産形成を早めにスタート
私はこのリスクを見越して、早くから資産形成を意識してきました。
もしリストラされれば、資産形成よりも生活維持にシフトせざるを得ません。
だからこそ、仕事があるうちは入金力を最大限活かし、資産を増やすことに集中しています。
例えば、新NISAで毎月5万円をS&P500に20年間積み立てると、年平均5%の運用で約2,050万円になります。これを知っているだけでも「今のうちに積み立てなければ」という行動につながります。
投資先はインデックスファンドが中心ですが、現金は生活費半年分を別に確保しています。これはリストラ時の「時間稼ぎ資金」です。
再就職先は「好条件」より「続けられる環境」
もしリストラされたら、まずは再就職先を探しますが、50代で好条件な職場に出会える可能性は低いでしょう。
私の基準は2つだけです。
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ブラック企業ではないこと
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自分がその仕事をできそうか
過去に知人が、条件だけで選んだ会社に入社した結果、長時間労働で体調を崩し、半年で退職しました。50代では再チャレンジも難しいため、無理なく続けられる環境を選ぶことが重要です。
制度を知れば、焦らず職探しができる
割増退職金と失業保険で時間を稼ぐ
早期退職には割増退職金がつくケースが多く、加えて50代では失業保険の支給期間が最長330日(自己都合退職は90日程度)。
さらに、再就職が早ければ再就職手当が支給され、金額は残りの失業給付の最大6割に達します。
仮に月25万円の失業給付を満額受け取れば、約11カ月で275万円。割増退職金500万円と合わせれば、1〜2年は生活費を賄える計算です。
派遣・アルバイト・セミリタイアという選択肢
正社員の再就職が難しければ、派遣やアルバイトに切り替える道もあります。
その場合、「セミリタイア」と割り切って生活コストを下げる戦略に移行します。
例えば、家賃を月3万円下げれば年間36万円の節約。車を手放せば年間50万円以上の維持費削減になります。
会社以外の収入源も模索する
フランチャイズや情報収入
私は副業や投資以外にも、フランチャイズ経営や情報発信による収入にも興味を持っています。
もちろん、50代で起業はリスクが高いですが、会社依存から抜け出すための収入の柱を持つことは、将来の安心感につながります。
固定費削減の効果は想像以上
例えば住宅ローンや家賃を見直すだけで、月2〜3万円は浮きます。
保険はネット型に切り替えることで、月1万円以上の削減も可能です。
通信費は格安SIMにすれば月5,000円、年間6万円の節約。車を手放せば、ガソリン代・保険・車検を含め年間50〜60万円削減できます。
これらを合わせれば、年間100万円以上の支出減も現実的です。
精神面の備えも重要
リストラは生活だけでなく、心にも大きなダメージを与えます。
だからこそ、普段から趣味や地域活動、家族との時間を大切にし、「仕事が全て」にならない自分の軸を持っておくことが大切です。
知人は、リストラ後に地域ボランティアを始め、人脈を通じて再就職先を見つけました。社会とのつながりを持つことは、再起への近道になります。
まとめ|50代は「守り」と「備え」が命
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役職や肩書きがない50代は、リストラリスクが高い
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企業は数値目標で人員整理を行うため、スキルや資格がなければ対象になりやすい
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制度を理解して割増退職金や失業保険を活用すれば、約2年は生活費を確保できる
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再就職・派遣・セミリタイア・副業など複数の出口を準備する
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固定費削減や精神面の備えで、予期せぬ事態にも耐えられる体制を作る
リストラは誰にでも起こり得る現実です。
「自分は大丈夫」と思わず、今から資産形成と生活防衛の両面で備えておきましょう。
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