投資

日本製鉄・神戸製鋼で学んだ“負けない投資”|個別株よりインデックス

「株で資産を増やしたい」と思い立ったとき、まず気になるのが“個別株”ではないでしょうか?
実際に私も、投資を始めた当初はインデックスファンドの存在すら知らず、いきなり個別株を買いました。

しかし17年の投資経験を経て、今は「個人投資家こそインデックス投資を中心にすべき」という立場に落ち着いています。

本記事では、日本製鉄や神戸製鋼といった私の個別株の失敗談をもとに、なぜインデックス投資が賢明なのかを、2025年現在の株価動向も交えて解説します。

個別株は「買い方」より「売り方」が難しい

個別株で失敗する多くの人が陥る罠。それは、「いつ売るか」が決められず、ズルズルと塩漬けにしてしまうことです。

私自身も、下がり続ける株を「戻るはず」と信じて何年も放置し、売り時を逃した経験があります。
感情に振り回される投資こそ、個別株の一番の怖さです。

【実例①】日本製鉄の株価は戻ったが、それで報われたのか?

私は2000年代に日本製鉄(5401)を購入しました。
当時は日本を代表する鉄鋼メーカーとして、将来性にも疑いはありませんでした。

▽過去の株価推移:

  • 2007年7月:高値8,590円

  • 2020年2月:1,350円(設備閉鎖発表などで急落)

  • 2025年7月現在:2,766円(年初来高値は3,522円)

たしかに現在の株価は底値から2倍以上に戻っています。しかし、2007年の高値から見れば3分の1以下です。

また、同社は2023年以降に鉄鋼需要の回復を背景に業績を伸ばしており、PERやPBRも割安圏にあります。
ただし、S&Pが格下げの見通しを示したことで株価は反落傾向にあります。

➡️ 教訓:一度大きく下がった株が戻るには10年以上かかる場合もある。その間の機会損失は大きい。

【実例②】神戸製鋼も似た道をたどる

もう一つの失敗銘柄が神戸製鋼所(5406)です。

私が購入したのはリーマン・ショック以前。当時は高炉メーカーとして成長期待がありました。

▽株価推移:

  • 2007年3月:5,070円(高値)

  • 2020年2月:448円

  • 2025年7月現在:1,590円(年初来高値は1,906円)

株価はコロナ禍の底値から3倍以上に上昇していますが、それでも過去のピーク時の3分の1以下
しかも、2025年3月期は営業利益が15%減益見通し。高配当(5%)が注目されてはいるものの、業績の先行きには懸念があります。

➡️ 教訓:業界をまたいだ分散がないと、似たような下落リスクをまとめて食らう。

「ディフェンシブ銘柄=安心」は幻想だった

ディフェンシブ銘柄とは、景気に左右されにくい業種の株を指します。
医薬品、通信、鉄道、電力などが該当し、年配層に人気の「安定株」とされがちです。

しかし、実例を一つ。

  • 東京電力(9501)は、2011年の福島第一原発事故で株価が1/10以下に暴落。
    当時、退職金で投資していた方も多く、大きな損失を被りました。

➡️ 教訓:社会インフラ企業でも“絶対安心”とは言えない。自然災害・不祥事などの想定外リスクは常にある。

個別株で勝つには“10銘柄以上&業界分散”が必要

個別株にチャレンジしたい人の気持ちは分かります。銘柄選定の面白さや、予想が当たったときの高揚感もあるでしょう。

しかし、以下の3点を守らないとリスクが集中してしまいます。

 分散のポイント

  1. 10銘柄以上に分けて投資する

  2. 業界をバラバラにする(金融・製造・通信など)

  3. 1銘柄の比率を10%未満に抑える

ただ、これには数百万円以上の資金が必要になります。さらに、業績分析やニュースのチェックも欠かせません。

➡️ 教訓:時間と資金に余裕がある人でなければ、個別株はリスクが高すぎる。

インデックスファンドなら最初から「世界中に分散」

私が現在メインにしているのがインデックスファンドによる長期積立投資です。

たとえば「eMAXIS Slim 米国株式(S&P500)」は、わずか1本で米国の代表的500社に投資できます。

しかも、

  • 低コスト

  • 自動で分散される

  • 売買タイミングを気にせず積立できる

という特徴があり、個人投資家にとって理想的な運用手段だと感じています。

新NISAではインデックス投資がますます有利に

2024年から始まった新NISA制度では、年間360万円(成長投資枠)までの投資が非課税に。

この枠を使って個別株に挑戦する人も増えていますが、初心者であればなおさらインデックスファンドの積立から始めるのが堅実です。

投資は「続けられるかどうか」が最大の分かれ道。
個別株で感情を揺さぶられるより、インデックス投資で機械的に積み立てるほうが、結果的に資産形成がうまくいく可能性が高いのです。

まとめ|個別株で失敗したからこそ伝えたいこと

  • 過去の私のように、業界を分けずに個別株に集中するのは極めて危険です。

  • ディフェンシブ株ですら、外部要因で暴落することはあります。

  • 株価が一時的に回復しても、元の価格まで戻るには10年以上かかることも。

  • 少額投資・時間の節約・精神的な安定を考えるなら、インデックスファンドが最も効率的です。

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