コロナウイルスによる影響から2020年1月31日のダウ平均は2%以上の下げを記録しました。
2020年1月31日のダウ平均は4日ぶりに反落しました。前日比603ドル41セント(2.1%)安で2万8256ドル03セントとなりました。これは約1カ月ぶりの安値で取引を終えています。
景気の不透明感から大幅な下げとなる
コロナウイルスの感染拡大の影響により世界景気の先行き不透明感になったことによる大幅な下落のようです。景気動向に影響されやすいとされる資本財・資源などの幅広い銘柄に売りがかかり半年ぶりの大きさの下げとなりました
コロナウイルスの影響は、まだ、終息に向かはずむしろ拡大して行っています。
米国は2020年1月30日に中国本土への渡航警戒レベルを最高の「渡航中止・退避勧告」に引き上げました。また、米航空会社の多くが中国便の運航を一時休止するなどの対応に乗り出しました。そして更に、一部の米企業は社員の中国渡航を見送りするなどのことを行っています。人やモノの流れが制限されると、世界経済の影響は大きくなるので、今後の景気悪化懸念が強まったかたちになりました。
債券市場にも影響。逆イールドで景気後退の懸念
また、コロナウイルスの影響は債権市場にも現れています。2020年1月30日に米10年物国債の利回りは1.53%まで低下しました。一時は3カ月物国債の金利を下回り、「逆イールド」状態が約3カ月ぶりに起こりました。
投資家の中に押し目買いのチャンスと言う人たちがいます。本当なのか?
コロナウイルスによる死者も増えており早く終息に向かうことを祈ります。ただ、投資家の中には不謹慎ですが押し目買いのチャンスと言っている人もいます。今は株価が大きく下げていますが、コロナウイルスが終息に向かえば株価は再び元の水準まで戻すと予想されてのことです。
株価の今後は誰も分かりません。これが基本原則
確かにいづれコロナウイルスも終息に向かう時が来るかと思います。しかし、株価が再び元の水準に戻るかは誰も分かりません。向かう公算が高いと思いますが、確証は出来ないのです。これはすごく当然の理論です。将来は誰も分からないからです。
また、「逆イールド」が起こることはリセッション(景気後退)のシグナルとも言われています。なので、今後、これをきっかけに株価が下がりだすかも知れません。
こちらのサイトではインデックスファンドの長期投資が基本ルールです。
しかし、現象としては株価の下げている要因が分かっており、その要因が取り除かれた場合に株価が戻るのは単純に理解出来ると思います。なので、短期的な投資に乗り出し一次的な利益を狙うことは出来なくもないと考えられます。
この戦略に乗るべきかを考察します。
基本的のこのサイトでは、
①インデックスファンドに投資する(分散投資)
②長期保有
③配当再投資を繰り返す
を唱えています。なので、これが基本ルールなのです。
短期的な利益を上げることはおすすめしません。
先程、述べました押し目買いをして一次的な利益を狙うやり方は、このルールに違反するものなのです。なので、このような短期投資に自分の貴重なお金をかけることはおすすめしません。
誰も底値と売値の判断が出来ない。
なぜなら、押し目買いの底値など分からないからです。短期投資をすると日々の値動きが気になります。
自分でここが底値だと思っても、それより下げると心落ち着かない状態になります。そうすると慌てて損切りしたりしてしまいます。また、仮に底値で買えたとしても、今度は売り時が分からなくなります。
人間は欲がありますので、上げれば上げたで、もっと上がるのではないかと思いなかなか売りに出れません。そうするといつの間にか自分の買った値段ぐらいで売却したり、最悪の場合、損切りで終わる結果になったりします。
一部の天才的な人は市場を出し抜くことが可能
ただし、多くの場合、このようなことになると言っているだけで、上手く切り抜ける人がいるのも事実です。もし、自分が一部の才能ある人間で市場を上手く出し抜く自身があればやってみてもいいかも知れません。恐らく、多くの人は一般人で終わると思います。
自分の決めたルールを貫くことは難しいです。一次的な欲が邪魔されます。
自分の決めたルールを貫くのは難しいのです。今回のような市場が乱高下している時には、日頃インデックスファンドで運用している人も、今なら短期的な利益を上げれるのでは!と思ったりすることがあるのです。
しかし、このような時も自分の決めたルールを守ることが大切です。結果的に自分の予想が当たるかも知れません。しかし、それが長期的に続かないし、何度も当たりません。なので、一次的な利益につられて自分の投資ルールを崩す必要はありません。投資ルールを貫くことは重要なのです。
偉大な投資家ウォーレン・バフェットも自分のルールを守れずに損をした過去があります。
あの、偉大な投資家ウォーレン・バフェット氏も自分の決めたルールを守れずに失敗したエピソードがあります。有名なのでご存知の方も多いかと思いますがご紹介します。
バフェット氏の競馬にまつわるエピソード
バフェットは学生時代に、競馬場で無許可の予想誌を発行していました。彼はこれにより勝ち馬予想する能力を磨き、そこで一つのルールを見いだしたのです。
それは
①1レースだけで帰る
②損するレースには賭けない
というものです。
自分の自信があるレースだけに賭け、負けてもそれ以上のレースに賭けて損を膨らまさないことをルールとしたのです。
ある日、バフェットは一人で競馬場に出かけ、1レースを外してしまいました。しかし、自分のルールを無視して帰ろうとせず、損を取り返そうと躍起になりました。それにより1日で175ドルものお金を失うのです。その金額は新聞配達で稼ぐ一週間分の報酬にあたります。
原因は自分の「競馬場のルール」を無視したことにあります。損を取り返そうと全レースに賭けたためでした。それ以来、彼は自分の決めたルールを貫くことの重要性に気づき自分の決めた投資ルールに従い巨万の富を築くことになるのです。
偉人ですら欲に負けてしまう現実がある。
あの偉人ですら、若い時には欲により自分の決めた成功法則を無視した行動をとってしまっているのです。われわれ凡人には難しいかも知れませんが、一次的な欲により自分のルールを崩さないことの大切さは理解出来るかと思います。