株主優待の問題点について思うこと。
私が米国株の方が良いと思い始めた理由の一つが株主優待です。アメリカ株には株主優待などという制度はありません。
少し考えて見ればこれほど株主を馬鹿にした制度はないのです。株は原則として株主平等の原則があるのです。
株主平等の原則とは株式会社の株主は、株主としての資格に基づく法律関係においては、その内容及び持ち株数に応じて平等に扱われなければならないとする原則をいう。
私が考える株主優待の問題点は、
①少数株主の優遇
②投資信託の購入者には恩恵がない
③会社としては費用計上される
にあります。
株主優待を利用して株を購入してもらう企み。
企業側が株主優待制度を取り入れるのはいろいろな思惑があるかと思います。想像するに個人株主を多く取り込みたいのだと思います。
会社内の持株会や個人株主を多くしておけば、企業買収のリスクが下がるし、安定株主として長く保有してもらえるわけです。
また、経営者としては物言う株主が近づいて欲しくないということもあるかと思います。こうゆう馴れ合い体質を作り出したいのがいかにも日本的です。
しかもこんなバカげた制度なのにマスコミや証券雑誌、証券会社なども株主優待特集みないな記事をだしたりしています。
今月の優待銘柄などとサマリ記事など紹介している始末です。日本の金融リテラシーの低さを物語っているのです。
株主優待の問題点。
①少数株主の優遇
株主優待の多くは上限を設けています。ある一定以上を超えるとそれ以上の優待は受けれません。
本来であれば少なく保有しいる株式も一定額以上保有している株式も株の価値は同じでなくてはなりません。しかし、同じ株なのに色がついているのです。
政府が社会的弱者に福祉を充実させるのは理解できますが、株式においても少数株主を優遇する制度を導入しているのは理解に苦しみます。
大株主にも権利を与えるべきと言っているわけでなく平等な制度であるべきです。
②投資信託の購入者には恩恵がない
投資信託で株式投資している投資家も多くおられると思います。投資信託は多くの株式に分散投資された商品のなので、性質上、株式の権限はほとんどありません。(議決権等)
しかし、いくら投資信託といえど株主にはかわりありません。議決権の権限等はなかったとしても利益を享受する権利はあるはずです。
もともと利益を効率よく享受するために投資信託を購入しているわけですから。
信託会社は優待を貰ったものを現金化して再投資しているのでしょうが、そんな効率の悪いことをするぐらいなら、普通に配当金を増やせばいいのです。
また、現金化の難しい優待もあるので、そのような優待は投信信託経由の株主にとっては損をさせられているのと同じことなのです。
③会社としては費用として計上される
株主優待の会計処理としては費用として計上されます。費用になるということは純利益を下げることになります。利益が下がるということは株価も下がります。
要するに何が言いたいかというと優待は株主にとって得になっていないのです。まるで無料で貰えたと勘違いしていますが、自分の所有している会社から支払われただけなのです。
それだったら食事券やクオカードとかでなく素直に配当金で還元すれば良いだけなのです。
米国株には株主優待はありません。
このようないかにも日本的な馴れ合いを形成するような制度は馬鹿げています。
また、株主優待制度は経営者からの恩恵のような制度みたいになっています。このようなことはアメリカにはありません。
日本の経営者は株主に対して福利厚生をしているつもりなんでしょうか。
アメリカでこんなことを実施するようなら株主から配当で支払いなさいと素直に言われると思います。
米国株に投資するのが賢明。
私も最初は日本株中心に投資の世界に入りました。しかし、度重なるニュースと日本の経営者の馴れ合い体質をみていてだんだんと嫌になりました。
皆様も実感としてあると思いますが、一旦、世界的な不況が起き、景気が回復基調になっても日本株は世界から出遅れます。
なかなか世界景気が良くなってきても日本株の上がり方は遅いです。それに対して日本の経営者は特に何の責任も感じていないのが日本の特徴です。
これは株主も含めて言えるのかも知れません。
日本に比べてアメリカの株主は経営者に対してもっとシビアに判断していきます。
なので、株価の動きも日本より激しいです。でも、最近は私はそちらの方が健全のような気がしてきました。
最後に
株主優待については疑問の多い制度と思っています。ただ、日本においては人気の制度です。
制度としてあるので投資家としては上手く利用するのが賢い選択かとも思います。
ただ、株主優待については問題のある制度ということを理解して頂ければ幸いです。それを理解した上で制度を利用するのが賢い戦略かと思います。
株主優待に目が行き、分散投資が疎かになることは本末転倒なので、ご注意ください。
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