雑記

お金よりも“時間”が足りない。50代の後悔と再設計

若い頃は、「お金があれば何でもできる」と思っていた。
ところが50代になって気づいたのは、本当に足りないのは“時間”の方だったということだ。

仕事に追われ、家庭を支え、子どもの進学や親の介護にも直面する。
一日があっという間に過ぎていく。
ふと鏡を見ると、若い頃にはなかった疲れが顔に出ている。
「いつの間にこんなに時間が経ったんだろう」と感じる瞬間が増えた。

お金は貯めれば増える。
でも、時間はどんなに節約しても戻らない。
今回は、50代の私が感じた“時間の価値”と、これからの再設計について書いてみたい。

時間の方が貴重だと気づいたきっかけ

私が「時間の方が大切だ」と実感したのは、会社の同僚の定年退職がきっかけだった。
長年同じ部署で働いた彼が、最後の挨拶でこう言った。

「お金はある程度貯まった。でも、もっと家族と過ごす時間がほしかった。」

その言葉が心に刺さった。
定年後にやりたいことを考えていた自分が、今を見失っていた。
老後のために貯金を積み上げるのは悪くない。
しかし、“今この瞬間”を犠牲にしてまで働く意味はあるのか、と考えるようになった。

忙しさに支配される50代の日常

50代のサラリーマンは、人生で最も時間に追われる時期かもしれない。
管理職ではない私でも、仕事量は増え、家では子どもの進学や親の介護が重なる。
朝から晩まで“誰かのために動いている”感覚が続く。

定時に帰っても、心は休まらない。
頭の中では、翌日の業務や支払い、老後資金の不安がぐるぐる回っている。
「明日こそ早く寝よう」と思っても、スマホを見ているうちに深夜。
そんな毎日を続けていると、時間が“奪われていく感覚”がはっきりわかる。

お金を増やすより、時間を取り戻す方が難しい

資産は努力で増やせる。
投資を継続すれば、多少のリターンも期待できる。
でも、時間は努力では増えない。
一日24時間という枠は、誰にとっても平等だ。

私は一度、定期的な残業をやめ、平日に帰宅してから散歩をするようにした。
最初は「無駄な時間では?」と思っていたが、数週間後には気づいた。
その30分の散歩が、精神的な余裕を生む。
頭が整理され、投資や家計の判断も冷静になった。
つまり、時間を取り戻すことは、結果的にお金の使い方を整える行為でもある。

“時間の使い方”を再設計する3つのステップ

① やらないことを決める

50代は“足し算の人生”になりやすい。
仕事、家族、地域、老後準備──増やすばかりで、減らす発想がない。
私はまず「やらないことリスト」を作った。
・残業を減らす
・無駄な飲み会に行かない
・SNSを惰性で見ない
この3つをやめただけで、1日1時間近く時間が生まれた。

② “習慣”で時間を取り戻す

時間を生むのは、効率ではなく習慣だ。
朝のルーティンを固定すると、迷う時間が減る。
たとえば朝食メニューを固定する、服を前日に決めておく。
小さなことだが、“決断疲れ”を減らす工夫が、結果的に自由時間を増やしてくれる。

③ “投資の時間”を見直す

投資も時間を使う活動だ。
毎日の値動きを追うより、月1回だけチェックする。
その分、読書や家族との会話に時間を振り分ける。
「お金を増やす時間」より「自分を満たす時間」に重点を置くと、心が穏やかになる。

今の自分にとっての“時間の価値”

50代になってわかったのは、時間には“使い道の段階”があるということだ。
30代までは、時間=努力のために使うもの。
40代は、時間=家族のために使うもの。
そして50代は、自分の人生を調整するために使うものだ。

私は最近、週末に1時間だけ“何もしない時間”を設けている。
スマホも見ない、音楽も流さない。
ただぼんやりと考え事をする。
それだけで、「自分が今、何に縛られているか」がわかる。
この1時間が、他のどんな投資よりも“心のリターン”をくれる。

「時間がない」は言い訳ではなく、サイン

「時間がない」と感じるのは、怠けているからではない。
心がキャパオーバーを起こしているサインだ。
私も以前は、「時間がない」と言いながら無理を重ねていた。
でも、体調を崩して初めて気づいた。
時間を守ることは、自分を守ることなのだ。

50代は、体力の衰えや親の介護など、外部要因で時間が減っていく。
だからこそ、自分でコントロールできる時間は最優先で守るべきだ。
たとえ1日15分でも、“自分のための時間”を確保することが、人生の質を変える。

まとめ:これからは「時間投資家」として生きる

お金を増やす投資家から、“時間を生み出す投資家”へ。
これが私の次の目標だ。

今あるお金をどう使うかより、残された時間をどう使うかが人生を決める。
投資や節約はその手段でしかない。
限られた時間を、誰と過ごし、何に使うか──
それこそが、50代の再設計で最も重要なテーマだと思う。

お金が足りないときは、節約で補える。
でも時間が足りなくなったら、もう取り戻せない。
だから今日から、“時間の使い方”を少しだけ変えてみる。
それが、50代の私たちにできる一番確実な自己投資だ。

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