投資

準富裕層で終わるのも悪くない|“1億円の壁”を越えられない人の共通点

はじめに:1億円の壁を意識しすぎていませんか?

投資を続けていると、「次は1億円を目指そう」という言葉をよく耳にします。
私も資産が7,000万円台に到達したころ、ついその数字を意識しました。
しかし、現実はそう甘くありません。給与所得の頭打ち、教育費の増大、物価高、税負担——。
50代で資産1億円を越えるのは、よほど高収入か強い運用成果がある人に限られます。

けれど、私は最近こう思うようになりました。
「準富裕層で終わるのも、悪くない」と。
むしろ、そこにこそ“等身大の幸せ”があるのではないかと感じています。

「1億円の壁」は思っているより高い

野村総研の定義によれば、

  • 準富裕層:金融資産5,000万円〜1億円未満

  • 富裕層:1億円〜5億円未満

つまり、1億円の壁とは、資産階層をひとつ上に上がる境界線です。
しかし実際には、残り3,000万円を積み上げるのは容易ではありません。

たとえば、7,000万円の資産を年3%で運用しても年間の増加額は210万円。
生活費の赤字が月数万円でも、それでほぼ相殺されてしまいます。
給与収入の伸びが止まり、教育費や介護費が増える50代にとって、「1億円の壁」は運ではなく構造的な難関です。

共通点①:リスクを取りすぎる

1億円を目指して急激にリスクを高める人がいます。
レバレッジ型ETFや信用取引、集中投資に手を出し、「あと数年で倍に」と考える。
しかし多くの場合、そのような短期勝負は長く続きません。

私の周囲でも、2021年の株高時にリスクを上げすぎて損失を抱えた人がいます。
逆に私は、オルカンとS&P500を中心に淡々と積立を続けてきました。
リターンは控えめでも、資産を減らさないことが最優先
準富裕層の安定感は「守り」にあります。

共通点②:支出が膨らむ

資産が増えると気が緩みがちです。
車のグレードを上げたり、旅行を少し豪華にしたり。
心理的には「もうここまで来たから大丈夫」という油断が生まれます。

私も7,000万円を超えた頃、家電を一気に買い替えたり、外食の頻度が増えたりしました。
しかし、それが積み重なれば年間で数十万円単位の支出増です。
1億円を目指すどころか、準富裕層の維持も難しくなります
結局、どの段階にいても「支出のコントロール力」がすべてです。

共通点③:目的を見失う

資産形成の目的は、「お金を増やすこと」ではなく「安心して暮らすこと」のはずです。
しかし、数字を追ううちにその本質を忘れてしまう人が多い。

1億円を目指すあまり、投資が義務になり、
相場が下がるたびに落ち着かなくなる——。
これではお金があっても幸福度は上がりません。

私は「老後破綻しないライン」を明確にし、
その上で「これ以上は欲張らない」というルールを決めました。
それが“心の逃げ切りライン”です。

準富裕層で終わるメリット

準富裕層というのは、バランスの取れたポジションです。

  1. リスクを取りすぎず、安定を優先できる

  2. 生活の選択肢が広がり、節約ストレスが少ない

  3. 税制上も極端な負担増がない

たとえば富裕層になると、相続税や金融所得課税、社会保険料の負担が重くなります。
準富裕層の範囲に収まっている方が、税金とストレスのバランスが良いのです。

また、1億円を越えた瞬間に「次は2億」となるのが人間の常。
終わりのない競争に巻き込まれるより、
“足るを知る”という価値観を持つ方が、精神的な豊かさにつながります。

私が意識している「維持と防御」の戦略

準富裕層で終わるとしても、資産を減らさない努力は欠かせません。
私が実践しているのは次の3つです。

  1. 生活防衛資金を1年分確保:相場が荒れても取り崩さずに済む。

  2. 新NISAとiDeCoを最大限活用:低コストで税制優遇を享受。

  3. 支出の固定費化を避ける:サブスク・保険・車などを“変動費化”して柔軟に対応。

「攻め」よりも「守り」の戦略で、じっくり資産を維持する。
準富裕層の到達後は、守りが最大の攻めになると実感しています。

準富裕層を“卒業”しなくても幸せに生きる

1億円を越えなくても、安心して暮らせる仕組みを作ることは可能です。
たとえば、

  • 教育費・住宅費を完済または明確に把握

  • 生活費を把握し、年金+運用益でカバーできる構造

  • 働けるうちは無理のない副収入を持つ

この3点を押さえていれば、1億円を持たなくても老後破綻しません
目指すべきは「数字」ではなく、「持続可能な安心」です。

まとめ:満足の基準を“自分の中”に持つ

お金の世界では、上を見ればキリがありません。
資産1億円、2億円、3億円——。
そのたびに「まだ足りない」と感じるのが人の性です。

だからこそ、自分にとってのゴールを明確に持つことが大切です。
私にとっては、妻と子どもが安心して暮らせること、
そして毎月の積立を無理なく続けられること。
それが“勝ち”だと思っています。

準富裕層で終わるのは、負けではありません。
自分のペースを守り、老後まで走り抜けること。
それこそが、50代投資家にとっての“本当の成功”ではないでしょうか。

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