「5,000万円」を使うなら、事業に挑戦して稼ぐのと、株式市場に投資して増やすのと、どちらが有利なのでしょうか?
今回は、モスバーガーのフランチャイズ運営とインデックス投資を比較します。50代サラリーマンの立場から、リスクとリターンのバランスを考え、現実的にどちらが儲かるのかを見ていきます。
モスバーガーのフランチャイズ経営|収益と課題
初期費用
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加盟金:200万円
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保証金:40万円
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研修費:約13〜16万円
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内装・設備費用:3,000〜5,000万円(ビルインタイプ30坪の場合)
つまり、5,000万円あれば1店舗のフランチャイズを開業可能です。
収益モデル
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月商:約600万円
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営業利益率:7〜8%
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年収換算:400〜500万円前後(成功例では600万円程度も)
ただし、この「営業利益」はオーナーの給与を含んでいません。オーナー自身が働けば実質の年収ですが、完全に“投資だけ”というわけではありません。
支出の注意点
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ロイヤリティ:売上高の1%
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広告費:売上高の1%
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人件費や家賃は立地によって大きく変動
潜在的なリスク
飲食業界は競争が激しく、立地やスタッフ次第で利益が大きく変わります。近年は人件費の高騰、原材料価格の上昇、さらには人手不足も深刻です。オーナー自身が現場に立たないと回らない店舗もあり、「投資」というより「経営者」としての働きが求められます。
回収期間
仮に5,000万円を投じて年収500万円を得られるなら、単純計算で10年で投資回収。
ただし赤字リスクやオーナーの労働時間もあり、「資産運用」というより「事業経営」に近い選択です。
インデックス投資で5,000万円を運用した場合
次に、5,000万円を世界株インデックスやS&P500に投じた場合のシミュレーションです。
想定リターン
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世界株インデックス:年率4〜7%
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S&P500(米国株):過去20年平均で約8%(2025年8月時点)
年間収益の試算
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年利5% → 250万円
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年利7% → 350万円
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年利8% → 400万円
労働不要でこれだけのリターンが得られます。さらに「複利」で資産自体が増えていくのが大きなポイントです。
暴落時のシナリオ
もちろん株式投資にもリスクがあります。たとえばリーマンショックやコロナショックでは、一時的に資産が30〜40%下落しました。
5,000万円を投じていれば、一時的に3,000万円台まで減る可能性もあるのです。
ただし、長期的に市場は回復してきました。実際、S&P500は暴落を乗り越えて過去最高値を更新し続けています。重要なのは「暴落時に売らない」こと。
複利のイメージ
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5,000万円を年5%で20年間運用 → 約1億3,000万円
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同じく年7%なら → 約1億9,300万円
つまり、インデックス投資は時間を味方につけることで資産そのものを拡大できるのです。
どちらが儲かるか?
モスバーガーフランチャイズ(5,000万円投資)
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年収:400〜600万円
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投資回収:7〜10年
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経営リスク:高い(人材・立地・景気に左右される)
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オーナーの労働:必須
インデックス投資(5,000万円運用)
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年収(利回り5〜7%想定):250〜350万円
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資産の伸び:複利で20年後に倍以上の可能性
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経営リスク:低い(市場変動のみ)
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オーナーの労働:不要
単純な「収入額」だけを見ればフランチャイズに軍配が上がるかもしれません。しかし、労働やリスクの度合いを考えると、インデックス投資のほうが効率的だと感じる人は多いでしょう。
折衷案という選択肢
実は「両方を組み合わせる」という方法もあります。
たとえば5,000万円のうち3,000万円をフランチャイズ開業資金にし、残り2,000万円をインデックス投資に回す。
こうすれば「事業収益」と「資産運用収益」を分散させることが可能です。
ただし、飲食店経営は精神的にも肉体的にも負担が大きいため、50代から始めるには覚悟が必要です。副業感覚では難しいのが現実です。
私自身ならどうするか?
私はサラリーマンとして仕事を続けながら投資をしていますが、もし5,000万円を動かすならインデックス投資を選びます。理由はシンプルで、経営リスクを負ってまで400〜600万円を得るより、手間なく250〜350万円を得て資産を膨らませる方が安心だからです。
これまで17年以上投資を続けてきましたが、暴落相場を経験しても最終的には資産が伸びてきました。店舗経営のように人材や立地に悩まされることもなく、家族との時間を優先できるのも魅力です。
まとめ|5,000万円の最適な使い道は?
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モスバーガーフランチャイズ
→ 年収400〜600万円、労働リスクあり、投資回収は10年前後 -
インデックス投資
→ 年250〜350万円の収益、放置で資産拡大、複利で長期的に優位 -
折衷案
→ 一部を事業に、一部を投資に。分散効果はあるが負担大
結論としては、「働いて事業収入を得たい人」にはフランチャイズ、「資産を安全に増やしたい人」にはインデックス投資が向いています。特に50代サラリーマンなら、インデックス投資の方が老後設計に合うケースが多いでしょう。
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