投資

日経平均5万円で入金の価値は下がるのか?

日経平均は2024~2025年にかけて急上昇し、いよいよ「5万円台」に入る水準になりました。
しかし、SNSや投資コミュニティではこんな声をよく見かけます。

「日経平均が1万円の時代なら、1万円で“1株分”買えた気がする。でも5万円だと1万円は“2,000円の価値”になった気がしてしまう…。」

「給料が増えないのに株価だけ上がると、投資を続けるモチベが下がる。」

この感覚は非常に分かりやすいものの、投資の仕組みとしては “半分は正しいが、半分は誤解” です。

この記事では、
「株価上昇=入金の価値が下がる?」という疑問に明確に答えつつ、投資モチベ低下の真因と解決策 を、なるべく専門用語ナシで解説します。

結論:入金1万円の“価値が減る”わけではない。減るのは「買える株数」だけ

まずは核心部分から。

多くの人が持つ誤解として、

  • 日経平均が1万円 → 1万円で「指数1株分」買える

  • 日経平均が5万円 → 1万円は「価値が5分の1になった」という感覚

がありますが、これはあくまで“印象の話”であり、厳密には違います。

日経平均の数字=実際の株価ではない

日経平均は「225社の株価を合成した平均値」であって、
あなたが1株買える値段ではありません。

実際の企業は、

  • 1株500円

  • 1株3,000円

  • 1株7,000円

  • 1株40,000円

などバラバラ。
指数はその平均変動を表す「指標」に過ぎません。

つまり、

日経平均が5万円=あなたの1万円の価値が5分の1になった
というのは“心理的には理解できる比喩”ですが、事実とは異なります。

それでも「高くて買えない」と感じるのは、完全に正しい感覚

ここが多くの人が混乱するポイントです。

  • 株価が高騰する

  • 昔よりも買える株数が減る

  • 1万円が“安く感じる”

  • 投資モチベが下がる

この感覚は、投資家なら誰もが経験する完全に正しい心理反応です。

特に2020年以降の日本は、

  • 物価高

  • 給料が上がらない

  • 社会保険料の負担増

  • 手取り減少

こうした「生活コストの上昇」があるため、
“株価高騰 × 給料停滞”のダブルパンチで入金力が削られる のが現実です。

実は問題の本質は「株価」ではなく「入金力」にある

株価が高いこと自体は悪ではありません。

株価が上がる理由はシンプルで、

  • 企業の利益増加

  • 世界経済の成長

  • 日本企業の競争力向上

  • 海外マネーの流入

  • 円安による収益改善

こういった“良い変化”の裏返しだからです。

しかし私たち一般のサラリーマンにとっては、

「給料は上がらないのに、株価だけ上がる」

という状況になることで、“相対的に自分が貧しくなった”ように感じてしまいます。

ここが 入金モチベが下がる最大の理由 です。

では、株価が高いときに投資するのは損なのか?

多くの人が気にするポイントですが、結論はこうです。

株価が高い=損とは限らないし、むしろ長期投資では普通のこと。

理由は3つ。

① 長期投資では「常に高値更新」が前提

20年前の人から見れば、

  • 日経平均 12,000円 → 今は40,000円

  • S&P500 800ドル → 今は5,400ドル

  • ナスダック 1,000 → 今は15,000超

どれも「高すぎて買えない」と感じる水準です。

でも20年前に戻れるなら、
誰だって「買っておけばよかった」と言うはず。

つまり、

今高く見えても、10年後には“安かった”になるのが株式市場の本質。

② ドルコスト平均法なら「高値掴み」を避けやすい

価格変動のたびに、

  • 高いとき → 少なく買う

  • 安いとき → 多く買う

となり、結果的に平均価格はいい具合に均されます。
これは貯蓄型サラリーマンにとって最強の仕組みです。

③ 株価が高いのは「市場が成長した証拠」

株価が安いのは、

  • 不景気

  • 企業業績の悪化

  • 失業率の悪化

  • 投資マネーの減少

などが背景にあります。

つまり、
安いときは買いやすいが、長期的にリスクも高い。
高いときは買いにくいが、長期的には健全に成長している証拠。

良し悪しは単純に比較できません。

では、入金力が少ない人はどうすべきか?

50代・手取りが増えない・家計が苦しい──
こうした条件下で投資するための“現実的な対策”をまとめます。

① 毎月の積立額を固定し、相場を気にしない

もっとも簡単かつ効果的。

  • 株価が高くても買う

  • 株価が下がっても買う

  • 相場に振り回されない

精神的にも楽になります。

② ETF・投信を活用して「株価の絶対額」を気にしない

日経平均が5万円でも、
日経連動ETFなら「1口3,000円〜」など少額で買えます。

オルカンやS&P500なら100円でも買えるので、
高値恐怖を感じる必要がなくなります。

③ 入金力を“5,000円でもいいから”改善する

給料が増えない時代でも、
入金力の改善には別ルートがあります。

  • 携帯を格安SIMに変更

  • 不要なサブスクの削除

  • 保険の見直し(特に医療保険)

  • 電気代・ガス代の切り替え

  • 賃貸更新時の相談

  • 副業(単発ワーク)

月5,000円の入金力アップでも、
10年間で 60万円の元本+運用益 です。

株価がどうこうより、入金力の微増のほうが投資人生を大きく変える。

これが長期投資のリアルです。

まとめ:あなたの1万円は“価値が下がった”わけではない

✔ 正しく理解しておきたいポイント

  • 株価が上がると確かに“買える株数”は減る

  • しかし「1万円の価値が下がる」わけではない

  • 日経平均は1株の値段ではない

  • 株価高騰より「給料の伸び悩み」がモチベ低下の主因

  • 長期投資家にとって高値更新はむしろ自然な現象

そして最も大事なのは、

株価はコントロールできない。
だが入金力と投資手法は自分でコントロールできる。

株価が5万円でも、10万円でも、
積立が続いている限り、資産形成は必ず前進します。

焦らず淡々と続けることが、
2025年の投資家にとっての最適解です。

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