はじめに:資産があっても不安は消えない
「7,000万円あれば老後は安泰」と言われることがあります。
しかし実際にそのラインに到達してみると、安心感よりも不安の方が大きいことに気づきます。
物価上昇、医療費、年金減額、想定外の出費——。
資産があっても、油断すれば“老後破綻”は他人事ではありません。
私自身、50代半ばで資産が7,000万円台に達しました。
とはいえ、まだ現役サラリーマン。
支出を少し間違えれば、資産の減少はあっという間です。
「逃げ切る」ために必要なのは派手な運用ではなく、家計の習慣を整えること。
今日は私が実践してきた“老後破綻しない家計の型”を紹介します。
1. 「月の支出限界」を把握する
資産7,000万円台にあっても、支出管理をやめた瞬間に崩れ始めます。
老後破綻を防ぐ第一の条件は、月の支出限界を明確に決めることです。
私は「月一定金額以内で暮らす」をマイルールにしています。
この範囲内であれば、年金受給後も資産を減らさず生活可能なラインを設定する。
支出を上回るリターンを運用で得ようとするのではなく、
支出を一定に保つ仕組みをつくるほうが現実的です。
毎月のクレジット明細や家計簿を“見える化”するだけで、
「無駄な固定費」「惰性の出費」はすぐに見えてきます。
老後の安心は、節約ではなく“支出の安定”から始まります。
2. 現金比率を「6カ月分」に高めておく
株式市場は上がり下がりを繰り返します。
退職直前に暴落が来たら、リスク資産を売るしかない——。
そうならないために、私は生活費6カ月分の現金を確保しています。
例えば、生活費30万円×6カ月月=約180万円。
この金額があれば、相場が荒れても資産を取り崩さずに乗り切れます。
老後破綻の多くは、「現金不足で株を売る」ことから始まります。
現金を多めに持つのは非効率に見えますが、
心理的安定と柔軟性を考えれば最強のリスクヘッジです。
3. 積立投資は“やめない・増やさない・放っておく”
私は新NISAで月13,000円を積み立てています。
かつては月33,333円でしたが、子どもの教育費が重なり減額しました。
それでも止めていません。
積立投資の本質は「続けること」にあります。
金額を減らしても続ければ、複利は生き続けます。
むしろ、相場に左右されず淡々と続ける人ほど“逃げ切る力”が強い。
また、運用額が増えても焦って追加投資はしません。
「増やすより守る」段階に入ったら、無理なリスクは避ける。
老後破綻を防ぐ最大の秘訣は、投資の「やりすぎ防止」です。
4. 固定費の“年1回見直し”をルール化
私は毎年12月に「固定費棚卸し」をしています。
通信・保険・サブスク・光熱費をすべて見直す日です。
老後破綻とは、支出をコントロールできない家計が続くこと。
年1回の見直しで、老後の安心度は格段に上がります。
5. 「大きな買い物は1か月寝かせる」
老後資金を減らす最大の敵は“勢いの出費”です。
欲しいものができたら、まず1か月寝かせてから買う。
これが私のルールです。
例えば家電や旅行など、10万円単位の支出は即決しない。
1か月経っても欲しいと思えたら購入。
意外と半分以上は「やっぱり今じゃないな」となります。
この習慣だけで、年間数十万円の出費が防げます。
衝動買いを減らすこと=資産を守る最強の防御策です。
6. 老後資金の「出口戦略」を持つ
老後破綻を防ぐためには、「どう使うか」まで決めておく必要があります。
私は次の順序で取り崩す方針を立てています。
-
生活費:年金+現金預金でカバー
-
想定外の支出:短期国債や定期預金から
-
旅行・レジャー費:運用益から
運用資産を切り崩す前提で生活設計をしておけば、
想定外の支出でも慌てません。
「いつ・どの資金を・どの目的に使うか」を可視化することが、
逃げ切る家計の条件です。
7. 老後破綻を防ぐ“家計リズム”の整え方
どれだけ資産があっても、家計リズムが乱れると不安になります。
私が意識しているのは次の3点です。
-
毎月の入出金を固定化する
-
投資のチェックは月1回までにする
-
老後資金を「見ない貯金」に分ける
このリズムを守ると、心の余裕が生まれます。
老後破綻を防ぐのは、家計簿よりも“習慣の安定”です。
まとめ:逃げ切りの条件は「派手さより整える力」
資産7,000万円あっても、浪費すれば破綻する。
逆に、5,000万円でも習慣を整えれば逃げ切れる。
老後破綻を防ぐ条件は、
-
支出を一定に保つ
-
現金3年分を持つ
-
積立を止めない
この3つに尽きます。
お金は“管理の質”で寿命が変わります。
今日からできる家計習慣で、
あなたの老後を「安心して逃げ切れるステージ」へ整えましょう。
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